曽田さんちの草花をごらんいただきながら、きのうの続きです。


先日、信用金庫の若い営業マンが遊びにきました。
彼は融資が仕事なので「遊びに」ってのもおかしなことなんですけど、うちは資金繰りに窮する状態でもないのによくやって来ては、世間話に花を咲かせて帰っていくのでぼくは「遊びに」と言っています。帰るときにもいつも「また遊びに来てね」って。


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彼は仕事柄、いろんな会社や商店主と話しをします。そして大概の経営者は「景気が悪くてねえ」とか「なかなか思うようには売れないよ」と、商売が思わしくないという言葉から話し始めるそうです。
ところがうちは違う。「絶好調だよ!」から始まるから楽しいんだそうです。それで遊びにやってくる。「『金は貸しても借りちゃいけない』が家訓だから、うちに来ても仕事にならないよ」と言っているのに、ニコニコしながら「また来ちゃいましたー」って。楽しい男なのです。


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ぼくは言いました。「景気が悪いって言ってる人にお金を貸してるうちは成績が上がらないんじゃないの?絶好調で商売しているひとほどたくさん借りるんじゃないかなあ」って。彼はニコッとして「その通りです」って。
やっぱりねえ。


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うちが絶好調なのはハッタリや空元気じゃなくて、ほんとに絶好調だから絶好調って言ってるだけなんですが、仮に調子が悪くても、何となく「調子が悪くってね」とは言いたくない気がします。
それは「調子が悪い」ということを言葉にすると、ほんとに突然調子が悪くなるような気がするからです。

ハードスケジュールが続いて疲れがたまっているときに、「もうだめだ」とつぶやいたとたんに寒気がしてきて熱が出る、という経験、あるでしょ。あれですよ。


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その融資営業マンの彼は、最近仕事が面白くなってきたんだそうです。以前は土日にやる趣味のサッカーが生きがいで、週末が待ち遠しい日々だったそうなんですが、このごろは営業成績で社内で負けたくないという気持が出てきたと言います。彼は仕事が楽しくてしかたがないという表情で言いました「いつか一番になりたい!ぼくは負けず嫌いなんですよ!」と。
出た!言い切り!
彼に予言しました。「そのいい切りがいいんだよ。一番になりたい!ぼくは負けず嫌いなんです!っていう言い切り。お客様のところに行ったらその言い切りでどんどん話しな。必ず営業成績トップになるよ」って。


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彼の表情が一段と明るくなりました。そして「また遊びにきまーす」と言って帰っていきました。


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たぶん、ぼくの予言は当たります。

この話、明日に続きます。