夕暮れから順に、すっかり暗くなるまでの夜の庭をごらんいただきます。
今日は日没直後のガーデニングエリアです。


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美しいでしょう!ファンダーを覗きながらウットリする時間帯。
しかしウットリしてばかりもいられません。ここから刻々と光が変化していくからです。頭の右側でウットリしながら、左側で露出を計算するという、カメラマンにとっての至福の時が訪れました。
パシャッとやって、絞りとシャッタースピードを変えてまたパシャッとやて、三脚持って移動して、またパシャッパシャッと。

ん!ちょっとした興奮状態で撮影しながら、唐突に、妙な思いがわき上がってきたのです。
曽田さんご夫婦との出会いが「あらかじめ用意されていたこと」のような、出会うべくして出会ったような、そういう不思議な感覚です。
ぼくはその感覚に引っかかってみようと思いました。よくあることなんですね、ちょっとひらめいたこととか思い浮かんだ些細なことから、予想もしなかったような展開になること。だからそれに引っかかってみようと。
そう思ったものの、今は撮影が佳境なのでキーワードを手帳に書いて、帰宅後ゆっくりと、先ほどわき上がってきた思いを掘り下げることにしました。

以下、帰宅後。


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この出会いがなかったら、この庭はなかったわけで、ぼくのこの充足感もなかったわけで、この気持いい撮影もなかったわけで、それと、きっとこれから、この庭を楽しんでくれるであろうご夫婦の時間もなかったわけで・・・。でもそんなことは考えられないのです。
「この庭はこの世に生まれてくる運命だった」としか思えないほど、でき上がってみるとそんな必然性みたいな何かを感じました。
最初の無茶振りとも思えるぼくの提案から始まって、工事に当たったカズくんの熱意や、出来上がりを楽しみに、毎日写真を撮っていたというご主人のワクワク感や。そういったことが相まってできあがった庭。


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これなんですよ、目指しているところ。偶然の出会いでありながら、後々考えれば考えるほど、運命によって出会うべくして出会ったとしか思えない出会い。そういう出会いによって生まれるべくして生まれた庭。


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そういう気持が強いせいもあって、なんとなんとグレースランドには営業職がいません。売り上げを伸ばそうと懸命に売り込むということがないのです。世の中的にはあり得ないことですよね。
事業的にそれでいいのかと言われると、ちょっとどうなのかわかりませんけど。もしかしたらもっと積極的にアピールして、売り込んで、出会いを、喜んでいただける人の数を増やしていくことを目指すべきなのかもしれないと、そう思うこともありますが。


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でもまあ、いいんじゃないかなあこれで。
うちはうちらしく、出会うべくして出会ったお客様と、喜びを共有しながら。

そういう仕事を積み重ねていきます。

というわけで、うちには営業がいないので「売り込み」をしません。いくら待っていても「買ってください!」と言いませんので、皆様は遠慮せずに、どんどん「買い込み」をしてください。
皆様の積極性抜きには、うちとの出会いは永遠に訪れないのです。
(グレースランドは、わがままな店なのです)




撮影中にふとわき上がった思いに引っかかって、帰宅後に掘り下げた結果が「うちはわがままな店なのです」じゃ、ちょっとねえ・・・。
このはなし、明日に持ち越して、もう少しいい結論に持っていきます。