階段を上がります。



Before  6
 ビフォー6

After 6
アフター6



階段下で何となく予感を感じさせながら誘導しておいて、ここでガシッと、尾崎さんちの世界に閉じ込めます。わかりますかね、この感じ。
茶室のにじり口や神社の鳥居と狛犬みたいなことで、ここを通過するときに、帰宅した家人や来訪者の気持ちをチューニングします。外の世界と(社会)から家(個人の領域)への気持ちの切り替えをし、鎧を脱いでいただくポイントです。
とても微細な効果を狙った仕掛けではありますが、こういうことの積み重ねが心地よい玄関アプローチを実現するのです。

振り返ってみます。



Before 7
 ビフォー7

After 7
アフター7



ピンクと白の石材によって楽しさが生まれましたよね。ウキウキするような。
トントントンと階段を上がって、上がり切ったところでギュッと閉じ込めるのです。そこで、気持ちが整えられる。

角を折れて玄関に向かいます。



Before 8
ビフォー8

After 8
アフター8



前々回のシリーズ「高橋邸」と同じく、ただの通路をアプローチガーデンに仕立て直しました。

門の中に入って振り返ります。



Before 9
ビフォー9

After 9
アフター9



そのまま後ずさります。



Before 10
ビフォー10

After 10
アフター10



また振り返って、玄関の奥の和室の前です。



Before 11
ビフォー11
 
 After 11
アフター11



決して大掛かりなリフォームではありません。ちょっとしたし立て直しで、暮らしの楽しさが大きく膨らんだことを感じていただけると思います。


これが「穏やかでにこやかな躍動感」を持った奥様の、「無理しない」で「少しだけ変える」という奥様流によってできあがった世界です。

明日から細部を解説してゆきます。



 


昨日「ぼくはイクメン、ハウスハズバンドの先駆け」と書きました。そうなったきっかけはジョン・レノンです。
ジョンは息子ショーンが生まれてから何年間か、音楽活動から離れて家事育児に専念した時期があり、当時話題になりました。プレーボーイインタビューで読んだその「主夫宣言」の記事を、とても単純に「カッコイイ!」と思ってしまったんですね。ぼくも子どもができたらそうしようと。ぼくが二十歳のときです。
この話をよくお客様にするんですが、若いご夫婦はもうジョン・レノンと言ってもピンと来ないんですよね。すでに歴史上の人になってしまっていることに驚いてしまいます。

13年後、ぼくは結婚し、そして子どもが生まれて、そのようにしました。これなんですよね、熱しやすく冷めづらい性格。

カッコイイ!と思って真似して始めた「主夫」、実際に家事育児をやってみると、楽しい楽しい。大変に感じたのは最初の数ヶ月だけで、その後は家事抜きの生活だとバランスを欠いているような気がして、現在まで、比較的家のことをこなすイクメンになっています。

この話明日に続きます。最初の数ヶ月感は大変で、その後は楽しくて、しかしそれが何年も続くうちに生まれた「主夫の葛藤」についてです。