道路から見えない家の存在を示すために、駐車場の突き当たりに建てたサインウォールです。



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右端に、道路際に建てたのと同じアイアンウッドの柱を組み込んであります。これが繋ぐということです。一部に同じ素材を使うことによって統一感と共に意識を駐車場奥へと誘導するのです。

壁のセンターにアイアンの表札、右側にライトとインターホンを配置したので、ここまで来た人の意識は右側へと促され、足元と同じ石を張った階段に気づきます。そっちを見上げると、そこにまた壁があり、ライトとポストが見えます。



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「あぁこっちか」となるわけです。


壁中央の表札は奥様が選びました。



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いい感じです。とても奥様らしい、奥様の暮らしの趣味と合った表札。
外構全体からいったら小さな小さな表札ですが、その小さな表札ひとつで生まれる印象は大きいのです。

壁には、植木鉢の水やりと洗車用に蛇口も設置しました。



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蛇口のデザインも表札とマッチしています。あと、壁の色と塗りの仕上げ方も。
奥様の趣味でコーディネートされたこの壁全体が、尾崎家の雰囲気を現しているような、そんなサインウォールに仕上がりました。






ジョン・レノンの「主夫宣言」に憧れて、途中迷いや葛藤があったものの、今では家事をすることが暮らしに欠かせない楽しみになっています。
最近ではイクメンとか言って、家事をこなすご主人も増えてきましたよね。でもまだまだマイノリティなわけでして、ぼくのように家事育児を「暮らしに欠かせない楽しみ」と感じている男は、世間一般から見たらまだまだ珍種の部類というのが現状です。

よく「ご主人が家事手伝ってくれるなんてうらやましい。うちなんか何にもしてくれなのよ」と言われます。そういうことを妻からは言われたことがないので、もううれしくて鼻高々です。となりにご主人がいれば「ハウスバズバンドって楽しいですよ」と、こっちの世界に引っぱり込もうと試みます。

・・・でも内心、もうひとりの自分が「それは危険だよ」と、つぶやいています。

向き不向きがあるからです。それと夫婦がお互いにそのことをよく理解していないと、奥様にとっては領分を荒らされることになり、ご主人にとっては(ぼくも一時そう思ったように)「何で俺が・・・」と不満の種になってしまいます。
「いいなあ」と思うのはとなりの芝生。実際にやってみるとそこは茨の道なのです。

ただ、ぼくはこの茨の道、「主夫」でいることにとても満足しています。家事には修行のような部分があり、自分を高めていくための日々の営みとして、それは打ってつけだから。女男の性分に合ったのでしょう。
それともうひとつ、「主夫」でいることが庭の設計をする上でものすごく役に立っています。
もしぼくが男男で「男子厨房に入らず」だったら、ぼくが設計する庭は今とはまったく違うものになっていたでしょうし、これほどたくさんの仕事を得ることもなかったのではないかと思っています。
庭スペースを外の部屋として捉えるとか、庭があることで家族の幸福感が増幅するようにとか、そういう発想が限りなく膨らんでいくのも、主夫だからこそかもしれません。

明日に続きます。