相談会は大盛況で、ぼくは連日しゃべり続けて、いろんな庭のことを考え続けて、充実の日々でした。
とってもよかったんですが、ただ、またもや設計作業が滞ってしまって、目眩がするほど仕事の山の標高が高くなっています。
またひたすら設計!の日々が始まりました。 気力を充実させながら、ひとつひとつしっかりとこなして行きますので、プランをお待ちの皆様はどうか気を長ーーーくしてお待ちくださいね。

ブログは今日から新シリーズ、新築の外構&前庭です。

Beforeと Plan A をご覧ください。 



Before
ビフォー2
 


 Plan A
飯高邸 A



設計する敷地はクルマ3台を縦入れできる広さですから、ごくごく一般的に考えれば玄関前のクルマ1台分のスペースを駐車場兼玄関アプローチに使って他は庭にする、となります。しかしご要望は、クルマ2台を置けるようにしたいというものでした。
瞬時に「できなくはないけど制約も出るなあ」と思い一点お訊きしました。「クルマを2台停めたときに、1台は出られなくなってもいいでしょうか?」。

プラン図のように、横入れのクルマを縦入れのクルマが閉じ込めるカタチにすれば、正方形に近い庭スペースが確保できます。もし常に2台とも出し入れしたいとなると2台を縦入れに並べるので、残った庭は2メートル50センチ×6メートルという長方形になります。
そこを畑として使うなら問題ありませんが、ぼくが提案したい「過ごす庭」を設計するときにはかなり無理のある変則的な仕立てになるのです。

駐車の利便性よりも「庭で過ごすことの楽しさ」を優先したいぼくとしては「1台は出られなくてもいいですよ」という返事を待っていました。

期待通りの返事でした。いやあホッとしました。
というわけで、クルマ2台を縦と横に入れて、1台は閉じ込めて、目隠し塀で囲った庭スペースは「外の部屋」という、これまでいつも好評うを頂いているパターンでの提案となりました。







こないだの台風で、あちこちの庭木がダメージを受けましたね。ぼくは風の影響で水分が飛ばされたのではないかと書きましたが、どうやら塩害だったようです。
うちのジューンベリーもすべての葉っぱが茶色くなりました。
わが家は海から直線距離で8キロは内陸に入っているので、塩害はイメージできませんでした。でも、昔からお住まいの方々はこれまでにも何度か台風の塩害を経験されていて、「今回のはひどかったなあ」とおっしゃっていましたので、たぶんそうなんですよね。

そうとわかれば対症療法です。何度も木に水をかけました。これくらいしか方法は無いんですけど、とにかく塩分を洗い流さなければなりません。こういうときに雨がザーザー降ってくれるとうれしいんですけど、なかなか期待通りにはいきません。

幸いうちのジューンベリーは塩害のダメージよりも木の生命力が勝ったようで、自ら葉っぱを落とし始めています。
木に回復するだけの生命力が残っているからこそ葉を落とせるのです。自分で葉を振るう木は100%回復します。
街路樹や山の木も、そうとうダメージを受けていますが、なあに心配はいりません。どっちみち秋が深まれば落ちる予定だった葉っぱですから。傷んだ葉っぱをきれいさっぱり落として、来春は、何事も無かったように、眩しい新緑を楽しませてくれることでしょう。

自然のことですから、ちゃんと自然に回復する。人はそれを目撃して、そのシステムや様子を学び取ればいいのです。
傷んだ葉っぱはさっさと振るい落として、早いこと次の芽を出させる。この循環のスピードがエンドロピーの増大に追いつかれない限り、自然はその豊かさ美しさを失うことは無いのです。
・・・「なんのこっちゃ」と思うでしょう。最近この手の本にはまっていまして、おもしろいんですよ分子生物学。
今読んでいるのが、青山学院大学の福岡伸一教授が書いた「ルリボシカミキリの青」。タイトルに惹かれて読み始めたら、おもしろいおもしろい。

人ひとりの60兆個の細胞が数ヶ月ですべて入れ替わるって、考えたことありますか。
「人は生まれ変われる」とか自己啓発本に書いているますよね。でもそれは頑張る必要はなくて、普通に生きてるだけで1年後にはもうあなたは完全に生まれ変わっているのです。1年前のあなたのすべての細胞は、ぜーんぶトイレに流れて消えている。ほんとにおもしろいです、こういうの。

「ルリボシカミキリの青」、読み終えたらそのエッセンスをブログで紹介します。