今回もまた「目隠し」が設計のポイントでした。どこからどこまでを、どんな強さで隠すか。



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目隠しの目的は視線を遮ること。もうひとつの考え方として「距離を取る」ということでもあります。

物理的な距離は変わらなくても、相手との間に遮蔽物があることによって精神的な距離感が生まれます。



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家と外、家庭と社会との距離感を調整する役割。

部屋の外からの視線や人影が気になってくつろげずに暮らしているとしたら、それは家庭と社会との距離が近すぎるということ。

人間関係で「間合いを取る」ことを忘れると、いらぬ摩擦やストレスを生んでしまいますよね。
関係性を良好に保ちたい相手とは、特に気をつけたいことです。



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庭の花はとても上手に間合いを取っています。
優勢に茂った花の下には日陰を好む花が咲き、一本では立っていられない花は群生して支え合います。種を飛ばすのも、地下茎で新芽を出す位置も、見事にお互いの快適さを考えた距離感があります。




Before
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After
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Before
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After
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Before
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After
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異種が近すぎる位置で咲こうとすることもありますが、たいがいはどちらかが淘汰されてしまいます。
自然とはそうもので、距離感、間合いを間違えると、共生はできないのです。



近づき過ぎてはいけません。離れ過ぎてもいけません。
近づかない方が良い時にはそれを察知して遠ざかる、関係を絶つことも必要です。
距離感を間違えたままだと、花咲く日々は実現できません。

見事に花咲く人生を実現するために、周囲との距離感を意識しましょうね。
花のように自然体で間合いを取る人には、他の花も寄り添ってきて、花いっぱいの日々がやってきます。 



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庭ってね、こういうことにも気付かせてくれる。深いんだよなあ〜。





あなたに、どうもしっくりいかない苦手な相手がいたとします。会社の同僚や上司、ご近所さん、もしかしたら家庭内にも。
それは単純に考えて、「近過ぎ」なのです。角を突き合わせていたって関係は改善されることはありません。
ゆっくりと後ずさってみてください。ちょうどいい距離まで離れた時に、苦手意識が消え去ります。
いったんそうなると、苦手だったはずが逆に大好きな存在になります。そうなったら今度はベッタリくっついていられる関係になります。

人間関係は上書きが可能。

西原理恵子

漫画家の西原理恵子さんは、ご主人のアルコール依存症と暴力で、何度も相手を殺したいと思ったそうです。地獄のような日々の末に離婚をし、ご主人は入院をし、長い治療を終えて退院してきた時にふと「この人は病気だったんだ」って気付いたそうです。
その瞬間にご主人への恨みはすべて消え去って、愛おしくてしかたない人になったといいます。

どうも馴染めない、どうしても仲良くできない、時には「一生恨んでやる」と思うような巡り合わせもあります。そういうものです。
でも距離感の調整によって、案外あっけなくいい関係に転じることがあるんです。
だからいい関係をあきらめないで、いい距離感、間合いの取り方を意識してみましょうね。
すべての人とハグする人生をイメージして。