最初に石崎さんちにうかがった時に目にとまったのがこの石仏です。



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石仏・・・じゃないかもしれません。出自がわからないので「石人」ということにします。



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親子のような、夫婦のような、アジアンでエキゾなこの石人の印象が、設計時にずっと頭の中にありました。


目隠し壁以外に、お隣さん側には板塀で目隠しをしました。



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裏側からはこんな感じです。



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こっちの方向にはお隣さんお窓があり、コンクリート壁よりも高く目隠しが必要だったので板塀を選択。この高さまでコンクリートだと圧迫感がありますからね。だから板で、適度に隙間を空けて、軽やかに隠しました。

この板がですね、なぜ縦使いで、何でこの色なのか。
設計ってそういうふうに考えるわけです。いちいち理由を置いてから選択するのです。それがコーディネートということです。

今回はあの石人が影響しました。
石人からの指示を受けるように庭の構成物のデザインや色が整っていきました。
この室外機カバーもそうです。



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そして御影石のピンコロ(キューブ)、タイルの色、タイルの貼り分けデザインも。



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他にも照明器具、植物の選択などに、石人は細かく指示を出しつづけました。



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よくこういうことがあります。小物一つから、一本の木から、あるいはご夫婦の思い出の花や大切にしている言葉から、そういう何か一つの事柄から受けるインスピレーションによって庭が組み上がってゆくことがあります。

インスピレーションが庭のテーマになる。
そのテーマに沿って組み立てることで、庭にハーモニーが生まれる。


デザイン的な統一感は大事です。一部それが崩れると、途端に全体が荒れて感じられるものです。
ところが統一感だけを意識していると、堅苦しさや味気なさが出てしまいます。
そこには、ただ統一させることのひとつい上の世界に存在する現象である、調和によす共鳴、ハーモニーが必要なのです。



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石人はきっと、ご夫婦の思い出の品に違いありません。たぶんそうだと、ぼくは感じました。違っていてもいいんです。ぼくはそう感じたことで、石人に「幸せな時間」がつまっていると感じ、その感じを庭に投影したいと思ったわけです。そんな庭がいいなあって。 



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インスピレーションは一瞬です。
その一瞬をしっかり掴んで、掴んだら絶対に離さないでください。
大概の夢は、そこから実現へと向かいます。


自慢じゃないけど(自慢ですけど・笑)これがぼくの得意技。

ひらめいたら、そこから広がる世界を夢想してワクワクする。それができたらもう実現したようなもんです。



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あなたにも、ふと浮かぶことってあるはず。急にひらめくこと、突然浮かんだアイデア、ドキッ!ワクワク!
そこに次の扉があるんだと意識することで、人生が相当楽しく展開していきます。