月72万円の生活費で暮らす家族がいます。ぼく的にはそれはかなりリッチな暮らしぶりです。
でも驚いたことに、その家の月収は31万円です。毎月41万円の借金を繰り返しながらその贅沢な暮らしを続けています。
当然借金は膨れ上がり、最近では取り立ても厳しいものになっています。
ご主人はこわーい取り立て屋に「お願いですからこのままお金を貸し続けてくださいよ、ちゃんと返しますから。もちろん返済の努力もします。一生懸命に節約して、生活費を6%減らして67万6千8百円まで下げることを約束しますから」と懇願しています。

ダメでしょこの家族。金銭感覚がおかしいし考えが甘すぎですよね。
さあ、この借金リッチ家族にはどんな運命が待っているでしょうか。



今日の写真は「佐島の空 五種盛り」で。
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今人類が一年間で排出している二酸化炭素は72億tです。
それを吸収分解してくれるのは地球上で植物だけ。森や雑草や庭の草花、あと海藻も、そういう植物の光合成によってのみ二酸化炭素は酸素へと変換されています。
それら植物が引き受けられる量は年間31億tです。排出量の半分にも満たない。残りの41億tが環境を破壊しているわけです。しかもそれは毎年繰り返され、光合成に使われることのない二酸化炭素の量は加速度的に積み上がっていきます。
そりゃあ温暖化も進むし気象もおかしくなるわけです。

この度を超した借金生活を何とかしなくてはいけない。取り立てはすでに厳しいものになっているし、事は急を要します。
この危機に際して日本が世界に表明した削減目標は・・・6%です

「せいいっぱいがんばって、切り詰めて、生活費を72万円から67万まで下げますから、どうか今まで通り41万円を貸し続けてください」
・・・お話しになりませんよね。
「チーム・マイナス6%」は日本政府が主導した2005年〜2009年のプロジェクトで、現在は25%削減を目指す「チャレンジ25キャンペーン」に移行しています



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植物が吸収分解してくれる量まで排出を減らすには60〜70%の排出削減が必要です。
これまでに積み上がった排出量を考えれば80%以上、いやいや即刻排出ゼロを目指さないと、我々人類は地球に住まわせてもらえなくなります。
地球に住めなくなるってことはどういうことかというと、宇宙に追い出されるんじゃなくて、死に絶えてしまうってことです。
「人類絶滅」その危機にさらされているのはぼくらではなくて、子供や孫、まだ見ぬそのまた子供たちだということを思うと、ぼくらはもっと真正面からこの問題を見据えなければなりません。

さあ、どうしますかねえ。
二酸化炭素排出量を80%減らす・・・。

これがダイエットだったらエラいことです。体重を6%減らすことならがんばればできます。でも25%となると、ちょっとやそっとじゃできません。それが80%のダイエットとなればもう無理、命が持ちません。

でも、ものは考えようです。
生活費に例えてみたらいい。そうすると、ちょっとだけ希望が見えてくるんですよ。
月72万円の生活費だったわけですから、それを20%の14万にすればいいんです。それで80%の削減になります。
ね、これなら絶対に無理ってことじゃないでしょ。

日本の二酸化炭素排出量は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの開発途上国の5倍だと言います。ぼくらが途上国並みにまで排出を抑えればいい。5分の1にして20%の排出にすれば80%の削減になります。
・・・無理だと思いますか?無理は承知ですけど、今それをやらないと人類はどうなっていくのかを思えば、ねえ、やらなきゃならないでしょ。



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そもそもわれわれは、幸せな人生を送れればそれでいいわけです。

GNH(国民総幸福量)を上げるために必要なことは、化石燃料を燃やして「より速く、より大きく、より便利に」じゃあないことはブータン王国が示しています。

いいと思うんですよスローライフ。いいじゃないですか5分の1で。
ぼくは、その方が幸せな人が増えていくと思うんですけどねえ。



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ぼくらはちょっと熱病にかかってたんですよ。石油や石炭を燃やすことをおぼえてから、うん、きっとそう、熱病です。
そろそろそれに気がついて正気に戻ったほうがいい。

アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、いいと思うんですよそういう暮らし。
自然と歩調を合わせた暮らしの中にこそ、永続的な幸せは築けるのですから。

環境のために我慢するのではなく、より幸せになるために80%削減を目指す。

いいでしょこういう考え方。
ただただ幸せを追求すればいいんです。二酸化炭素を撒き散らして熱狂するところに、本当の幸せはない。

幸せとは、山の湧き水や、海からの風や、雲の流れに心が揺れること。となりの人の温もりを感じること。一緒に笑える人を大事に大事に守りながら、地球と同調して暮らしていくこと。

政府の「チャレンジ25キャンペーン」もいいんですけど、温暖化を止めてぼくらの子孫に幸せな地球を残してあげられるのは政治家ではなくぼくら自身であって政治家ではありません。ぼくらの暮らし方が真の幸せへと向くことが、次代の幸せへとつながっていくのです。

何かを破壊し犠牲にした幸せなど続くはずがない。
幸せを守り伝えていくには、真の幸せを見失わないことが必要。
地球は幸せな生物を優先的に守ります。


いいでしょこのロジック。我慢するんじゃなくて、もっと真剣に幸せを追求することが人類生き残りの道である。天才的!(笑)。



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ちなみにですけど、京都議定書から離脱したアメリカでさえ2050年までに70%減らすと言っています。ノルウェーは2050年までにゼロにすると宣言しています。「いいね!」ですよね。
残念なことに、日本はそのつど曖昧なことを言うばかりで・・・。

さあ、この問題、月72万円で暮らしているあなたはどう考えますか?

ぼく?
山の湧き水、海からの風、雲の流れに心揺らしながら、隣りの人の温もりを感じながら、一緒に笑える人を大事に大事に守りながら、地球と同調して暮らしていきます。
日本政府みたいに曖昧なようですけど、ぼくはこれに尽きると思っています。

・・・にしても、そろそろ本気にならないと、取り返しがつかなくなるんだけどなあ。