『 夏の夜の夢 』

ここ数日の夜風が変化したことにお気づきでしょうか。

『夏の夜の夢』はシェークスピアによる戯曲。彼は書斎ではなく、庭でペンを走らせていたのでは、と想像しています。そしてそこにはこのようなゴージャスな風が吹いていたに違いないと。
夏の夜風に吹かれて浮かんだ物語は駆け落ちから始まるドタバタ喜劇で、ハッピーエンドながら、そのすべてが夏の一夜の夢だったというオチ(だったかな?)。夢一夜、恋のから騒ぎ。

あと2週間もすれば、円海山の頂上広場で盛大なマツムシの求愛の宴が始まります。毎年書いていることながら、あのチンチロチンが束になってジャー!と降ってくるあの音空間を、日本中の子どもたちに聞かせてあげたいなあ。
担当者各位は懐中電灯を携えて、お子さんと夜道の散歩をお楽しみください。夕方から9時くらいが聞きどきですよ。

それとですね、お父さん、クワガタ捕りは夏休みが終わった9月が本番なのです。
森でクヌギとコナラ(どんぐりの木)を見つけて罠を仕掛けてください。円海山の森はコクワガタだけですけど、横須賀方面や鎌倉の六国見山に足を伸ばせばノコギリがいます。

行く夏はいつも俊足。スイカ、素麺、蚊取り線香、水遊び、線香花火、虫捕り、枝豆&ビール・・・やり残しのなきように。


森を行くと、
なんの具合か蝉が鳴きやんで、
深い静寂に入ることがあります。

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その深みに意識が吸い込まれて行った先は、
いつも小学生の夏休み。
そろそろ宿題を仕上げなければという
幼心にはやや残酷なプレッシャー。

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何度振り返っても、広大な自由の時空に放り出しておいて、
背中に不自由の時限装置を背負わせるというダブルバインドは、
やはり、子どもにはキツい仕打ちなのです。

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まあ、その試練によって鍛えられ成長してゆくわけですが。
計画的にコツコツやる、
あるいは7月中に仕上げてしまう子には知能が、
明日から、明日から、
必ず明日からはと先送る子どもには情緒が。

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後者だったぼくは、
夏の後半には今でも重苦しい影のような、
油断すると泣きたくなるような、
この時期限定の特別な風情を感じます。

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Midsummer's Melancholy.
優等生には想像もつかないであろう、
深遠で重厚で濃厚なアブストラクト。
これはこれで、今となっては庭を描くのには欠かせない
貴重な心の原資なのです。