クリープを入れないコーヒーなんて・・・、昭和の懐かCMの名作です。違いがわかる男、う〜んマンダム、野坂昭如ソクラテスの唄。まだ白黒テレビも生き残っていた頃にブラウン管から流れてくるコマーシャルは、今思えば、子供たちに絶大な影響力を持っていました。番組では全員集合!、ウルトラマンや仮面ライダーなどのヒーローもの、子供ながらに金曜ロードショーなど。そうそう、アランドロンが亡くなりましたね。ヨーロッパ映画、アメリカンニューシネマ、東映ヤクザ映画、それら名作のほとんどはスクリーンではなく、ブラウン管からぼくら世代の記憶に刻まれました。



ちょっと、ふと、時折、秋風!?
そんな折に振り返り、散らばっている夏の花を拾って記憶しておけば、
2024の灼熱を良き思い出へと変換できます。
強烈だった分、それが今後の思考の強い土台になるのです。
若い衆、年寄りの凄さは土台の頑丈さなのだよ。
「頑固」とも言いますけどね。

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 「テレビばっかり見てるとバカになるぞ」と嗜められながら、いわふち少年は家にいる間はずっとテレビの前にいて、忠告通りにすっかりバカになりました、という結末。しかしですね、親の言うことよりも、ぼくだけでなく昭和のテレビっ子は、当時吸収したコマーシャルや映画や人気番組からのメッセージに従って、大人の階段を登って行ったのです。



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 それでよかったんじゃないかなあと思うんですよ、このバカさ加減も込みで。立派なレールに乗る人生にしろ、ぼくみたいに荒地にレールを敷いてきた人生にしろ、お利口さんにはできないことをやり続けて生き延びてきたんですから。この頃同世代と話す機会が多く、当時の音楽や映画や文化について盛り上がるのがとても楽しいのです。

クリープを入れないコーヒーなんて・・・
ネギを入れないかけ蕎麦なんて・・・
パイナップルが入っていない酢豚なんて・・・
ゴム手袋で握った寿司なんて・・・
ネットが繋がらないパソコンなんて・・・
翼の折れたエンジェルなんて・・・
ラブラブじゃなくなってしまった夫婦なんて・・・
椅子とテーブルが置かれていない庭なんて・・・

 何かが違う気がする。何かが足りない。誰もそのことに疑問を持ったふうではなく「まあそんなこともあるさ。別にたいしたことじゃないよ」と見過ごしている事柄が、ぼくには気になって仕方がありません。改装を済ませたパッパパスタの壁の黄色が微妙に濃過ぎて、あっちゃーと思ったり。きっと誰も気に留めないであろう事柄が引っかかってしまう。その思考癖が、こと仕事となれば活かされて、現状の不備を察知しそれを改善する、という手法で庭を描いてゆけるのです。



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 では水野晴郎風に、「庭って本当にいいもんですね」。金曜ロードシューからは、作品とは別に、ひとつの分野(映画)にのめり込めば、多くの人と感動を共有する人生になるんだと教わりました。映画評論家って本当にいいもんですね、と思ったものです。



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 多感な時期に吸収した言葉や出来事などの刺激がその後の人生の土台になるのである、とするならば、孫たちに素敵な庭をプレゼントしなければ。いい庭があれば人生は上々に展開する。時代が変わろうと、何が起ころうとも、これは間違いないことですから。



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 それでは今日はこの辺で。暑さが峠を越えたし、張り切っていち日頑張りましょう。
 では淀川長治調で、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。