リビングの外が隣地と80センチしかなかったら、そこを庭にしようなんて誰も思わないことでしょう。でもその奥様は、当たり前のことのようにそう思っていました。なぜ?
80センチをイメージしてください。あなたの横幅は50センチ。ビルの工事現場で労働基準監督署から指導される作業通路幅が70センチです。
その場所の建物からの出幅はどのくらいですか?
ええっとお、たぶん3メートルくらいかな。
だったらどんな庭でも作れますよ。過ごす庭も、眺める庭も、ガーデニングを楽しむ庭も。
私はお花が好きだから。
承知いたしました。楽しみにお待ちくださいね。
ということで現地へ伺ったところ、なんと奥様がおっしゃっていたのは出幅3メートルは駐車場スペースで、庭にしたいリビングの外は・・・80センチ。どう見ても薄暗い通路です。
あのお・・・
あら嫌だ、私ったら。設計図とか数字とか苦手で、変なことお伝えしちゃったみたいですね。
しかしその奥様の、数字抜きの頭の中では、漠然と、この狭い場所が当然のこととして庭になるもんだと思っていたのです。家を建て替えてこれから始まる新たな生活、リビングの外には美しい庭があり、その庭風景を感じながら過ごすのが、主婦の権利としてというか、暮らしってそういうものでしょ、と信じて疑うことなくご来店されたのです。建築会社の担当者には、きっと奥様が抱いていたそういう庭へのイマジネーションが伝わらないままに引き渡しとなり、奥様的には「あれれ、ところでお庭はどうしたらいいのかしら?」となった。可愛らしい!天然奥様。しかし80センチですから、さてさて、どうしたものか。
Before 1
After 1
Before 2
After 2
80センチをイメージしてください。あなたの横幅は50センチ。ビルの工事現場で労働基準監督署から指導される作業通路幅が70センチです。
その場所の建物からの出幅はどのくらいですか?
ええっとお、たぶん3メートルくらいかな。
だったらどんな庭でも作れますよ。過ごす庭も、眺める庭も、ガーデニングを楽しむ庭も。
私はお花が好きだから。
承知いたしました。楽しみにお待ちくださいね。
ということで現地へ伺ったところ、なんと奥様がおっしゃっていたのは出幅3メートルは駐車場スペースで、庭にしたいリビングの外は・・・80センチ。どう見ても薄暗い通路です。
あのお・・・
あら嫌だ、私ったら。設計図とか数字とか苦手で、変なことお伝えしちゃったみたいですね。
しかしその奥様の、数字抜きの頭の中では、漠然と、この狭い場所が当然のこととして庭になるもんだと思っていたのです。家を建て替えてこれから始まる新たな生活、リビングの外には美しい庭があり、その庭風景を感じながら過ごすのが、主婦の権利としてというか、暮らしってそういうものでしょ、と信じて疑うことなくご来店されたのです。建築会社の担当者には、きっと奥様が抱いていたそういう庭へのイマジネーションが伝わらないままに引き渡しとなり、奥様的には「あれれ、ところでお庭はどうしたらいいのかしら?」となった。可愛らしい!天然奥様。しかし80センチですから、さてさて、どうしたものか。
この場合、設計のポイントは部屋から見える景色です。お部屋の掃き出し窓を大きなカンヴァスに見立てて。
Before 1
After 1
Before 2
After 2
地面を持ち上げタイルを張り、出やすさと共に部屋との一体感を出して、材木の柔らかい質感と植物で庭空間を仕立てました。気が向けば鉢をどかして、コンパクトなイスとテーブルを出し過ごせます。出幅80センチであっても過ごす庭は可能なのです。
完成後、駐車場周辺にも小物や植木鉢が増えてゆき、奥様の漠然とした庭がある暮らし、草花を楽しむ暮らしが実現。ほんと、ホッとしました。
完成後、駐車場周辺にも小物や植木鉢が増えてゆき、奥様の漠然とした庭がある暮らし、草花を楽しむ暮らしが実現。ほんと、ホッとしました。
狭くても、庭をあきらめてはいけない。「無理だよねえ」と思わず、理屈抜きに想像したガーデピア(ガーデン・ユートピア)は現実となって出現するのです。
イメージすること、あきらめないで、漠然とでいいから理想のイメージを消さないこと。イメージできたらできたも同然。
HI どうだい田部井くん、すっごいだろ。
田部井P 出幅80センチですかあ。誰もそこを庭にしようなんて思いませんよね。奥様の純粋な庭へのイマジネーションが素晴らしい!
HI そうなんだよ。図面や数字が苦手だっておっしゃってたけど、そういうこととは別世界で生きてるんだろうなあ。女性的というか、可愛らしいよね。理屈じゃなくて「私は幸せに生きて当然なの」というのが、男には絶対に辿り着けない、女性特有の究極の人生観だよ。
田部井P わかります。その感じにぼくら男は茫然自失、わけがわからず論理立てて真意を探ろうとする。ところが論理なんぞは一切通用しませんよね。意味不明なままで女性の意向に沿えるよう試行錯誤する。でも、やってもやっても機嫌が悪くなる。苦行です。
HI 君もけっこう苦労してるんだね。
田部井P いわふちさんが昔ブログに書いていた「美味しい・楽しい・美しい」ってあったじゃないですか。あれですよ。
HI そう。意味不明であっても、男は「美味しい・楽しい・美しい」を女性に供給し続けなければならない。体細胞生物の頃に雌雄が分かれた段階から、オスは、メスが創り出したサーヴァント、使いっ走りなのだ。運命を呪ったところで無駄だから、せいぜい自分をすり減らしてオスの役割を果たすしかない。
田部井P 悲しい話ですね。
HI いやほんとに。でもね、それを男のロマンと言うのだよ。・・・たぶん。
HI どうだい田部井くん、すっごいだろ。
田部井P 出幅80センチですかあ。誰もそこを庭にしようなんて思いませんよね。奥様の純粋な庭へのイマジネーションが素晴らしい!
HI そうなんだよ。図面や数字が苦手だっておっしゃってたけど、そういうこととは別世界で生きてるんだろうなあ。女性的というか、可愛らしいよね。理屈じゃなくて「私は幸せに生きて当然なの」というのが、男には絶対に辿り着けない、女性特有の究極の人生観だよ。
田部井P わかります。その感じにぼくら男は茫然自失、わけがわからず論理立てて真意を探ろうとする。ところが論理なんぞは一切通用しませんよね。意味不明なままで女性の意向に沿えるよう試行錯誤する。でも、やってもやっても機嫌が悪くなる。苦行です。
HI 君もけっこう苦労してるんだね。
田部井P いわふちさんが昔ブログに書いていた「美味しい・楽しい・美しい」ってあったじゃないですか。あれですよ。
HI そう。意味不明であっても、男は「美味しい・楽しい・美しい」を女性に供給し続けなければならない。体細胞生物の頃に雌雄が分かれた段階から、オスは、メスが創り出したサーヴァント、使いっ走りなのだ。運命を呪ったところで無駄だから、せいぜい自分をすり減らしてオスの役割を果たすしかない。
田部井P 悲しい話ですね。
HI いやほんとに。でもね、それを男のロマンと言うのだよ。・・・たぶん。