就寝前のひと時、庭の書斎に腰掛けて、お気に入りの音楽を流しながら本をめくる。

夏ならよく冷えたビール、冬ならホットワインを片手に。

ページをめくる指が止まり、ふっと寝落ちする瞬間。それは疲労による睡魔ではなく、今日という日をやり遂げた充実感と、素晴らしい明日へのワクワクが入り混じった、まさに「夢見心地」のひと時です。

家族や友人とバーベキューを楽しんだ夜、ふと鏡を見ると、自分でも驚くような笑顔の自分がそこにいる。

あるいは休日の朝、芝生を丁寧に刈り終えた後、残りの時間をどう楽しもうかと胸を躍らせる。


これら、庭から得られるポジティブなエネルギー。
これこそが「庭の癒し」の正体です。




赤澤邸
Before
赤澤邸ビフォー13


After
赤澤邸アフター13



一般的に「癒し」といえば、ダメージからの回復をイメージするかもしれません。
「傷を癒す」とか。

「心が疲弊した状態にある人が、藁をも掴む思いで花を植える」、そんなシーンを思い浮かべる方もいるでしょう。


しかし「庭の癒し」はちょっと違います。

庭に癒されている人は輝いています。

誰よりもイキイキと、ハツラツと、眩く輝きまくりながら癒しを求めているのです。


そんなに元気な人が、なぜ癒しを?

答えはシンプルで「いち日、いち日、自分の時間を大切に扱っているから」に他なりません。



田村邸
Before
田村邸Before1


After
田村邸After1



この歳になって実感することがあります。

驚くことに、どんなに賢く立派に暮らしている人にも、苦難の時はやってきます。


大切なのは、それを恐れて守りに入ることではない。

来るならこい!と腹を括ったら不安なんぞは綺麗さっぱり捨て去って、いざ苦難が来た時に、それを軽やかに跳ね除けられるだけの「幸福感」と「心の健康さ」を、日頃から蓄えておくことです。



石井邸
Before
石井邸ビフォー2


After
石井邸アフター2



庭は単なる園芸の場ではありません。

見上げる空は紛れもなく宇宙空間であり、肌を撫でる風は地球の隅々までを何万回も巡ってきた空気の流れです。

そしてそれを感じている自分がいる。

庭は、僕たちが自然の一部であることを思い出させてくれる、室内では得ることができない「聖域」なのです。


少し話が大きくなってしまいましたが(怪しいですか?笑)、お伝えしたい結論はこうです。


庭の癒しとは、マイナス域からゼロへ戻るためのものではなく、ゼロから「プラス域」へ大きく跳ね上がるための、ロイター板(跳び箱の踏み台)なのです。



丸岡邸
Before
丸岡邸Before1


After
丸岡邸After1



もし今、あなたが「自分はマイナスの中にいる」と感じているなら、試みに、庭で過ごしてみてください。

ただし、条件があります。

「クヨクヨしている自分」を癒すのではなくて、一気に「ビッグスマイルの自分」へ変身するイメージを持って、庭を植物を植える場所ではなく、自分自身の生活空間であると捉えてから。


あらゆることは考え方次第。

本来のあなたは、庭に咲く花や季節の移ろいと同じように、調和したエネルギーが溢れている存在です。

自分と庭は一体である、そうイメージできたときにあなたは自分に気づきます。

するとアーラ不思議、あなたの眼前にあるロイター板のスプリングは最強になります。




藤井邸
Before
藤井邸Before1


After
藤井邸After1



庭が整えば、人生も整う。庭が花開けば、人生も花開く。

幼い日の、純粋で眩しいほどに美しいエネルギーに満ちていた自分をイメージしてみましょう。


それ以上の自分って、多分、ないんですから、迷わずそこをイメージするのです。

虫を追い、泥遊びをし、草笛を吹き、桑苺を食べていた自分をイメージするのです。

周囲に愛され、愛情を愛情と認識できないほどの愛情に包まれていた、愛情の塊だった自分をイメージするのです。


イメージできたらできたも同然。

では、庭(跳び箱)に向かいましょう。


お手伝いできることがあれば、お申し付けくださいね。

お、なんと、折しも『お庭の相談会』を開催中ですから。


ええっとぉ、やっぱりちょっとスピリチュアル寄りの怪しい話でしたね。

お若い方には「宗教か!」と、そっぽを向かれるかもしれません。


まあいっか、幾多の苦労を通り越してこられた賢人たちに、お役に立てるかもしれない考え方ですから。

頑張りましょ、ご同輩、先輩諸氏。

残り時間を、いち日いち日を、最高の輝きで送るために。


庭ですよ庭。いい庭があれば人生は上々。



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余談ですけど、ウォーキング中に上大岡で『咲叶う(さとう)』という居酒屋を発見しました。

咲く、叶う、素敵な名前ですよね。


通りから覗くと中は小綺麗なカウンター席で、看板があり得ないほど小さく目立たない。

多くの人は気づかず通り過ぎるであろう仕立てが逆にいい感じ。

井の頭五郎なら目ざとく見つけて、引き寄せられるように入るだろうなあ、という印象です。


「咲く」は花咲く未来をイメージすること。

「叶う」は十回口に出せば願いは叶う。

店名で、これほど(僕が思う)理想の庭へのイマジネーションが広がったのは、ちょっとした事件でした。


ターシャ・テューダー、ニキ・ド・サンファル、クロード・モネ・・・咲く、叶う・・・。

こんど、孤独のグルメごっこをしに行ってみようと思います。