風景・環境・人

JAG 総会で『Pure』

昨日開催された『JAG 第7回総会』のもようです。

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まずは決算報告と活動報告、そして来期の計画と予算組が承認されました。

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続いて第2部の講演会。正木会長(今期で退任し、次は園芸会の寅さんこと玉崎さんが会長就任です)と新理事になられたミサワホームの大谷さんによる対談。

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いつもながらアカデミックで且つ実践的な内容で、興味津々で聞きました。

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今回理事の多くが任期満了、こちらがその方々。様々なイベントや活動で苦労してきた人たちなので、何かグッと来るものがありました。どうもお疲れ様でした、と言いたいところですが、このみなさま、今後は非常任理事やら何やらで引続きがんばっていただくという段取りになっています。

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そして第3部の懇親会です。四国や九州や北海道から来られた会員もいて、会場のあちこちで大盛り上がりでした。で、のんべえチームはその後居酒屋へと消えて行きました。

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正木会長のお話で「JAGはピュアな会なので・・・」という言葉があり、一同それに共感。打合せなしで、来期のテーマは『ピュア』ということになりました。ほんとにそういう意味では希有な会だと思っています。ピュアな人たちがピュアを大事にしながら地道に運営しているのです。帰り道に思いました「イイ人ばっかで楽しいなあ・・・」。理事会の帰りにもよく思うんですけど、イイ人が集まっていることから受ける良質な刺激が心地よくて、きっとそれは皆さんもそう思っていて、だからこういう会がしっかりと続いているんだなあと。
会社でもサークルでも、団体はその構成員の人柄がその存続や発展を決めるのだと思うのです。少し長いスパンで観察すれば、世の中の全ての組織・団体がそうなんだとわかります。無理したら続かないし、不純だったら続かないし、いろんな面でバランス悪かったら、これまた必ずこけます。ですからこのJAGがピュアなままで発展して行ってくれたら、そしてそこにかかわることで、自らの組織であるグレースランドもピュアさを保てるのではないか、そんなふうに思っているのです。えっ、グレースランドってピュアな会社なのかって、そりゃそうですよ。でも慢性的にプアーではありますけど。まっ、カスミ喰いながらどこまで行けるかなあって感じです。


 

壮絶!東京のヒートアイランド現象

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 昨日に続いて首都大学東京教授の三上岳彦先生の講演をもとにして、『壮絶!東京のヒートアイランド現象』をおおくりします。

 ここ100年で地球の気温が1℃上がっているのに対して、東京は3℃近く上昇しています。ひどいことになっているのです。
 これが首都圏の人工排熱マップです。

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 今日みたいに暑いとエアコン室外機からの熱風の量というイメージが浮かんできます。そしてその熱がコンクリートとアスファルトに蓄積されて朝になっても温度が下がらない、東京特有の熱風が吹く夏になるわけです。

 次は明け方と午後の気温の変化です。

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 太平洋からの海風で、昼過ぎには千葉や神奈川の気温は下がっていますが、都心は相変わらず暑いままです。それだけコンクリートの蓄熱は頑固だということと、日中さらに海風がかなわない熱を排出しているということでしょう。

 次は気温上昇の数値です。過去100年、地球が1℃の上昇なのに対して、平均で約3℃の上昇です。その差の2℃分がヒートアイランドによるものということです。

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 今は真夏なので、最高気温の変化をイメージしがちですが、ご覧の通りで、冬の最低気温の上昇が一番大きく、雪国育ちの私としてはこのことがボディーブローのように効いてくるのを予感しています。いやな感じなのです。

 東京から横浜に移住したので、東京の過酷さと横浜の快適さを身体で感じていますが、ガーデンデザイナーとしては「東京は人が住む環境ではない」と一言で片付けられないわけでして、過酷な東京で一生懸命に幸せを築こうとがんばっている家族に、横浜湘南テイストの庭、快適な微気候を生み出す庭を提案し続けたいと思っています。それにしても、何か大きな対策を打たなければ・・・。政治家さん、学者さん、どうかきちっとした指針を示して下さい。私は全力でそれに協力します。地球環境が崩壊する前に東京が崩壊します。その前に東京で暮らす人が、家族が崩壊します。環境の悪化が悲しい子どもと辛いお年寄りを生むことを知らん顔して見ているわけにはいかないでしょう。みんなで考えましょうよこういうこと。

 それにしても、連日のこの異常な暑さ・・・嫌な感じです。

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恐怖!地球温暖化のはなし

JAG(ジャパン・ガーデンデザイナーズ協会)の第5回ガーデンフォーラム 2006in 東京 『東京の庭と都市の環境』ー環境から庭を考えるー というのが開催されまして、その基調講演で首都大学教授で理学博士の三上岳彦先生が話されたネタをかいつまんでご紹介します。

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 まずは衝撃的なグラフを。これは過去1000年の地球の気温変化です。

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 どう読みますか?ゆっくりゆっくり下がっていた温度が100年前から急激に上昇をはじめて、ここ30年でさらに猛烈に上がっています。・・・何かが壊れた感じしませんか?

 次にここ150年間のグラフです。地球の気温が約1℃上昇しています。

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 そして50年間の二酸化炭素排出量と気温の関係。

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 どうですか、完全にリンクしてますよね。

 地球の何かが壊れてしまった。地球が悲鳴を上げている。そしてその気温上昇は二酸化炭素の排出量とリンクしている。この上昇角度でいったら10年後には・・・50年後には・・・100年後は・・・無いかもしれません。たぶん無いでしょうねえこのままだったら。
 最初の1000年のグラフを記憶に刻み込んで生活しましょう。そして何か具体的なアクションを起こしましょうよ。すぐに。

 明日は引き続き三上先生の資料を使って『壮絶!東京のヒートアイランド現象』です。

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再びロハスについて

 先日の台風のこともあって、環境問題について今一度考えてみようと思いまして、大きな書店を2軒まわってきました。
 私、本屋さんには実のところ年に10回程度しか行かなくて、行くと何冊も買い込んで、ひと通り読んでから、気に入った数冊をその時の気分で取っ替え引っ替え何度も読み返す、そういう習慣になっていまして、これって、考えたらCDと同じような感覚で本を楽しんでいるという感じなんですね。音楽だとジャズ、CKB、ハワイアン、クラシック、日本のビンテージロック(サディスティックス、ムーン・ライダースetc)などを、どれかを1週間から1ヶ月くらい聞き続けて、気分が変わると次へ、という聞き方です。本も同じで、今回は環境と生活、ストレスマネジメントに役立つ食事、つまりロハスについて考えたいという方向に針が振れて、それで本屋に向かったというわけです。

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 ロハス本を探して店内をぐるぐる歩きまわって、それで気がついたんですけど、ロハス関係の本がほとんどない。以前はそのコーナーまであったのに。2件目も同じでした。出版業界的にはブームが終わったんですねえ。カオリ曰く「世の中景気が良くなってきたからロハスとかゆるい感じのは売れなくなってるんじゃない」、店全体を見回すと確かにそういうムードを感じました。ややショック。ロハスも日本では一過性のブームでしかなかったのかなあ・・・。

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 ま、日本人の消費行動に苦言を呈していてもしょうがないので、私としてはしつこく淡々とロハスについて考え、自らの生活と庭の提案でそれを実践していこうと思っています。

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 それではおさらい。ロハス(LOHAS)・・・Lifestyles Of Health And Sustainability.
“ 健康で継続可能な生活様式 ” もうすこしニュアンスを含めると “ 人の心と身体と地球環境にやさしいライフスタイル ” ということです。
 イタリア発の、わりと個人的哲学という印象のスローライフ、スローフード運動に対して、アメリカ発のこのロハスは、エコを重視する(ストイックな)ことにとどまらずに、人が地球の自然環境と協調しつつ、よりイキイキとした人生を組み立てていこうというタイプの文化創造者が増えることで、企業や政策まで動かしてしまおうという社会的ムーブメントになりうる考え方です。実際アメリカでは成人人口の30%がロハスを意識した生活をしていて、その人たちの価値観や消費行動がマーケットに大きな影響を与えていると言われています。はたして今後、日本でそのロハスがどう扱われていくのか、ロハスライフが定着し、成熟して行くのか、あるいは「そういえば、そんなこと言ってた時期があったなあ」とただの過去の言葉になってしまうのか。

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 わたしは妻カオリ(もと左翼活動家、現在は家庭内ひとり左翼)とちがって、社会運動をどうこうという感覚はあまりなくて(拉致問題のブルーバッチは付けていますが)、ロハスによって日本を良くしようとか、ガイアシンフォニー的生活を世に広めたいとか、そういう野望はありませんけど、ひとつだけ皆さんにおすすめしたいポイントは、「ロハスを意識すると生きやすい」ということです。早起きして、旬の野菜中心の食事を摂って、意識的に運動をし、地球の中の自分を見つめる時間を確保する。数日間そんなふうに生活するだけではっきりとストレスが減って(ストレス耐性が強まるという感じもあるかな)私と家族に笑顔が増えてきます。これを友人やお客さまがたにお教えしない手はないので、こうして話題にし、庭の設計にもロハスライフをイメージしたものが増えてきているのです。これをお読みのあなたも、一度、ロハスライフを実践してみてください。

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今日の写真はロハスライフの実践者、オープンガーデンでお馴染みの後藤さんちでした。



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東京で高地トレーニング

 設計が一軒完了したので、スイッチを再度ブログに入れました。
 今日はこれからJAGの会合で東京へGO! 月に何度かJAGやお客さまとの打合せで行く東京ですが、その数時間は東京と横浜とのコントラストを体感し、同時に、東京時代(7年前まで東京人でした)の自分と現在の自分の距離を確認するとうタイムマシン的移動なのです。要するに「横浜来て良かったなあ」ということなんですけど、それも時々東京の混沌とした空気や風景に身を投じないと現在のありがたみが薄れる気がして・・・。つまり、東京行きはマラソンの高地トレーニングなのです。横浜に比べて信じられないほどの悪条件下でがんばっている東京人、東京での暮らしに触れることで、現在の横浜・鎌倉・湘南な日々のありがたさをより強く感じたい、私の中にそういう思考が働いています。何となくラジオの人生相談を聞いては「ああ、まだうちの方が幸せだ」とホッとしているような悲しさもあるんですけど、いやいや、現在地の確認を怠ると目的地には到達できないもの。過去と比較した今をしっかりと認識した上でさらに行きたいところを明確にして。現在地と目的地がはっきりしないかぎりどうやって目的地にいくのかという行程も見えてこないので、道に迷った状態で一生を終えてしまいかねないのです。いやあ、何か自己啓発セミナーみたいな話になってしまいました。本音は・・・、こうやって自分を鼓舞しないと行く気にならないのです。多感で繊細な私にとって、やっぱ東京はきついです。でも・・・、まあ・・・、・・・よしっ、高地トレーニングに出発します!

ガーデンデザイナーの顔

 なが~いシリーズ明けの第一段はです。
 JAG(日本ガーデンデザイナーズ協会)の総会の撮影係だったもので、その写真を整理していてつくづく思ったこと、「みなさんいい顔しているなあ」。
 その職業らしい顔というのがあります。花屋さんは花屋さんの、漁師さんは漁師さんの、政治家は政治家の顔、長いことその職に携わっていることで出来上がる“らしい顔”です。どの仕事もそれに専念しているからこその顔で、それぞれ絵になるものです。で、今回撮影したJAG理事の面々の顔は、

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 いかがですか、なかなかいい顔でしょう。みなさん人間的にもすばらしく、また中身の濃い、信念を持った仕事をされている一流のガーデンデザイナーです。味のある顔、優しい顔、深みのある顔・・・、共通点は自然体であることと正直なこと、そんな気がします。植物と関わり、人と接しながら創造的な思考をしているとこういう顔になるのでしょう。無邪気な子供のようでもあり、ずるさなどと無縁な仙人のようでもあります。それでいてしっかりとした社会性を持っている、そういう顔です。目指したいところです。
 あなたの職業は?その職業らしい顔とは?そしてあなたの顔は?
 自分の顔をカガミ以外でじっくりと見る機会は少ないものです。もし良かったら私が撮影しますよ。一度じっくりと自分の顔と向き合ってみてはいかがでしょうか。



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 走る走る走る

六本木クリスマス

 毎年恒例、六本木にクリスマスの飾り付けをしに行ってきました。軽トラにツリーやオーナメントが入った段ボールを山積みで、まだ明けきらない静かな横浜からGO!
 8時に六本木の交差点に到着。いつもいながらそこは不思議な空間なのでした。まだ騒ぎ足らない若い女性を半ばむりやりにタクシーに押し込んでいるホストや、帰宅前に富士そばで腹ごしらえしている胸元をだらしなく開いた黒服のおにいちゃんなどの“夜の人”たちと、早朝出勤でさっそうと歩くビジネスマン、東洋英和に通ういかにも育ちのいい感じの小学生を学校まで送る、きちっとした出で立ちのお母さま方という“昼の人”とが、まるでお互いが視界に入っていないかのように、微塵も反発したり交錯したりすること無しに、ひとつの雑踏をつくり上げているのです。以前東京で暮らしていたときにはさして違和感を感じなかったこういう風景が、のどなか港南区から出かけて行くとものすごく不思議なことに思えます。
 昼の人も夜の人も、その歩き方はひたすら自分の進行方向だけに意識が行っている感じで、もしこの場で殺人事件や交通事故が起こっても、きっと立ち止まること無くまっすぐに目的地を目指すんじゃないか、そんな気がするほど“かたくな”に周囲をシャットアウトして成立している個人が集まって出来上がっている人混み、そんな感じがするのです。
 そのことの善し悪しを云々することよりも先に、一番気掛かりなのはそこをお母さんと手を繋いで歩いている小学校の子どもたち。日本で有数の名門校に通っているこの子たちに、この風景は何を感じさせ、どういう影響を与えるのだろうかということです。「大丈夫なのかな?」「これでいいのかな?」とどうしてもそう思ってしまうのです。

 でも考えたら大きなお世話で、この辺に住んで、東洋英和に子どもを通わせることができるということは、何の分野であれ相当のエリート。みなさん高い教育を受けて、しつけや子育てに関しても最高を目指している努力家ばかりなのです。よね。・・・まあ私はのどかな港南台で、たくましい雑草を育てますよ。そういえば去年わが家の雑草シオリをここに連れてきたら「ここはどこ?えっ、六本木??わ~、外人がいっぱいいる~!」と騒いでいました。雑草の子は雑草。「シオリよ、君には都会は似合わない。将来は葉山の農家か三浦の漁師の家に嫁いで、よぼよぼになったお父さんとお母さんに海が見える高台に家を建て、毎日新鮮な食事を食べさせて親孝行するのだぞ」

 で、何しにここに来たかといいますと、毎年恒例、クリスマスの飾り付けです。六本木にお住まいの2組のお客さまから“おまかせ”でお受けしています。どちらもすばらしい仕事と華麗な生活を実現されているお宅で、両家ともとてもすてきなご家族です。仕事というよりも、このようなセレブな方々の生活に触れることがとても心地よい刺激になるので、毎年楽しみな作業なのです。

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 これが終わると「さあ、今年もラストスパートだ!」という感じで、でもまあ、一年中スパートしっぱなしなので何が変わるわけではないんですけど。

 帰り道に思ったこと/六本木にいても横浜にいても、北のはてや南の島で暮らしていても、環境がどうであれ、子どもをいい感じで育てたり家族が笑いながらすごすという“家庭”を実現する“強さ”を持ちたいものです。
 その“強さ”は、何となくなんですけど、忍耐力とか経済力ではなくて、精神力。健康ではつらつとした精神とその中心から溢れ出るイマジネーションなんじゃないかなあ。たぶん。



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 走る

自然は生活の分母なのです

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 いつものように円海山から瀬上池に降りるコースを散歩中にこんなチラシを見つけました。以下転記します。


『横浜市域再大規模のホタルの里 瀬上の森に進む開発計画』

 横浜の南の森、円海山緑地。鎌倉から逗子へ、そして三浦半島へとつながる首都圏の大きな緑の回廊。その入口に位置する瀬上の森。横浜の原風景である大きな谷戸。横浜市域再大規模のホタルが流域約3キロにわたって自生するいたち川支流。昔の人々の治水の苦労を偲ぶ灌漑遺跡や世界的な学術教育価値を持つ貝化石の露頭。そしてホタルに代表される豊かな生態系との触れあいや憩いを求めるたくさんの市民。この市民の貴重な共有財産でもある瀬上の森に、横浜スタジアム8個分にも相当する21haの大規模開発が計画されています。港南台から上郷へと下る舞岡上郷線の両側の山を削り谷を埋めて、ショッピングセンター、宅地、高層マンションを建設しようとするものです。横浜市の環境部局は、この緑地には優先的に保全すべき高い価値があると認めながら、事業者の開発意欲を理由に保全のための十分な施策を行ってきていません。
 現在、横浜市は(1)事業者が所有する緑地の半分を寄付させて市有地とする。(2)舞岡上郷線の4車線化の拡幅を事業者の負担で行う。(3)ホタルの生息環境の保護をする。という3点を「開発を認める最低限の条件」と説明し、「これが実現しなければ開発の許可は出ない」と言っていますが、(1)(2)から見えるのは、道路を事業者負担で拡張する代償として、大規模な緑地と生きものの生息環境の破壊を容認する手続きに入ろうとする開発部局の姿勢です。これだけの規模の開発を、開発抑制の市街化調整区域から開発促進の市街化区域に変更してまで行おうとするのは横浜では最近は例のないことですし、開発計画地には、一昨年、栄区民の参画で決定された「栄区街づくり方針(都市計画マスタープラン)」で「緑と水の拠点」にすると明記された舞岡上郷線東側を含んでいるという都市計画上の大きな不整合もあります。またホタルの生息環境の保護をするという(3)の条件は、現存の川を工事中は埋め立て、商業施設の明かりもコントロールできない計画では流域全体のホタルを守れる根拠がありません。専門家の方々は、現在の計画では光の影響などでいたち川支流流域のホタルには大きな影響があり得ると指摘しています。
 このような状況の中で、今年の2月から、市民・自然保護団体・学識経験者などの強い訴えに応える形で、計画の環境への影響を審査する環境アセスメントのプロセスが始まりました。アセスの進め方(方法書)に対して意見書を出した市民は、横浜の過去のアセス条例でも一、二を争う400人を越える規模となり関心の高さを物語っています。私たちは、これから本格的な審査が始まるこの手続きの透明性と審査の合理性をしっかりフォローしながら、適切な環境保全措置が施された計画への見直しを求めていきたいと考えています。
 瀬上の森やそれにつながる円海山緑地を保全し、多様な生きものや文化財を次の世代に残していくにはどうしたらよいのか、一緒に考えてみませんか。私たちは、横浜そして瀬上の自然や生きもの、あるいは文化財に関心を持たれる広範な方々と開発計画についての情報を共有し、現地での観察会や勉強会・講演会を通じて考え、行政や事業者との対話も進めています。
 また運営にあたっては、この活動が特定の政治団体や思想に偏ることのないように努めています。是非、下記のホームページをご覧いただき、また毎月定例で行っている視察観察会にもご参加ください。

「瀬上の森パートナーシップ(SMP)」
  <連絡先>
 〒221-0835 横浜市神奈川区鶴屋町2ム24ム2
 神奈川県民活動サポートセンター
 レターケースNo.420 瀬上の森パートナーシップ(SMP)宛
E-mail:segami-ps@hotmail.co.jp
ホームページのURL:http://ameblo.jp/segami-ps/

<視察観察会>
8月19日(土) 俳句でハイク
9月16日(土) 秋の虫をさがそう
10月7日(土) 瀬上の秋の野草たち
11月18日(土) 冬の生きものさがし
 集合は当日10時に県立上郷高校の正門前。小雨決行。解散は12時頃。付近に手洗いはありません。当日受付も行いますが、事前にSMPまで、葉書かE-mailで参加の連絡がいただけると幸いです。

- 以上 -



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 瀬上の森とその周辺の自然を満喫している私にとっては直接的に心配な問題です。何とか環境を保全する方向での解決を願っています。

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 ある冒険家が「自然は生活の分母だ」と言っていました。全く同感です。豊かな自然がベースにあればこそ、豊かな生活が実現し、その分母が小さくなればどう取り繕っても豊かな生活は望めなくなる、そう思うのです。だいいち、この先急激に人口が減ってゆくことが予測できているのに、なぜ今、自然を壊してまで生活の場を確保しなければならないのか。10年後には日本中のマンションは空室だらけになり、20年後には渋滞や通勤ラッシュなど遠い昔のお話になるのです。それなのになぜ?答えはいつもの通りで“ 経済活動優先 ”ということなのでしょう。目先の金のために環境を破壊することの愚かさにまだ気が付かないということなのでしょうか。あるいはそんなことは給料が上がることに比べたら、たいしたことではないと考えているのかもしれません。だとしたらこれまた愚かとしか言いようがありません。連日起きている悲惨な事件、親が子供を、子供が親を、子供が子供をという悲劇の原因をたどってさかのぼると、多くの事件の種は高度経済成長期からバブル期までに、日本人が経済と引き換えに(自然だけではなく)いろんなことを破壊してきたことにある、そんな気がしています。「諸悪の根源は昭和時代、会社帰りに毎日ビールと枝豆でジャイアンツ戦を観ていた親父たちあるのだ!」という暴言を妻にたしなめられながら、でもやっぱり、あの頃の大人たちにもう少し日本の将来へのビジョンがあったら、そして途上国の貧困や戦争のこと、地球の健康状態にまで思いを至らせるセンスがあったら、今はもう少し豊かだったはず。少なくてもこんな事件が連日報道されるような国にはなっていなかったと思うのです。と、愚痴っていてもしょうがないので、今の大人である私たちはどう考え、どう行動するべきなのか。30年後の大人たちに愚痴られないように、『経済と環境』、真剣に取り組むべき問題なのです。

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 「自然は生活の分母だ」。もう待った無しの状況です。分母を食い潰すのではなくて、大きく豊かに育てていきましょう。そのために日々何をすればいいのか、理念を忘れずにそれを模索する、そういう生活でいいのだと思います。それが、エコロジーやロハスな生活ということです。



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 走る 環境ブログの現在1位『晴れの日、オーガニック日和』おすすめします。わたし、好きですこういうおじさん。

風景・環境・人

 一昨日JAG(日本ガーデンデザイナーズ協会)の理事会に初出席、日本の庭業界のトップを走る方たちにお会いできることに心弾ませながら、会場がある世田谷区の大原に向かいました。いつものことでやたらと早く到着(癖なんです)、これもいつものことで時間まで界隈を散策しました。どこに行っても歩き回るという習慣がいつから、なぜ始まったのか全く覚えてませんが、そのつど必ず何かしら発見があったり、歩きながらの思考から仕事上、生活上の新たな課題や目標や、ギャグのネタが浮かんだりして、それが楽しくて習慣化しています。で、今回京王線代田橋付近の路地を歩き回るうち、何とも言えない暗い気分に襲われていることに気が付いて「これは何なのだろう」とあれこれ思考したことをつらつらと。

 東京から横浜の港南台に居を移して5年、すっかり生活感は横浜色です。毎日いい風を感じながら、健康でいい感じの人々との関わりで日々が過ぎて行きます。それが普通になっている“ 横浜マインド ”のままで第3京浜を経由して世田谷に入ったとたん、自分の中で混乱が生じます。東京に仕事に行くときはいつもこの混乱からのスタートです。どういう混乱かと言いますと、まずは横浜と東京の“環境”の違い、そしてそのことによって次々とよみがえってくる東京での嫌な思い出、それが襲いかかってくるのです。とは言っても東京暮らしが嫌な思い出ばかりだったと言うわけではありません。ですから東京時代の嫌な思い出と言うより、それも含めた過去の嫌な記憶や感触や空気感みたいなものをいっぺんに引っ張り出させる“負のスイッチ”みたいなもの、が東京の風景・環境にはある、そう言った方がいいかもしれません。そう感じるのが私だけではなく、妻も、都心に通うお客さまも同じ感じを持っているようなので、であれば、東京は負のマインド、負のエネルギーが渦巻き、路地に負の枯れ葉が吹きだまっている、そういう恐ろしい場所で、どんなに心身共に健康な人でもその渦に巻き込まれたら最後、体調は崩れ、精神的にも病んで行ってしまうという『魔の都市』という解釈も出来ます。恐ろしいのは、東京で暮らしているときは、そんなこと何も感じなかったということです。たまたま脱出して横浜で暮らしてみて、外から東京を見てそう感じることができるのです。今横浜にいて東京時代の自分や家族を振り返ると、それほど過酷で劣悪な環境で暮らしているのだと意識することなしに、負のハリケーンに耐え、翻弄され続けて生きていた、そんな感じがします。ニューヨーク市長だったジュリアーノさんが提唱して大きな成果を上げたという“ 破れ窓理論 ”、昨日のギャルサー最終回でカーボーイが渋谷を去る時にギャルたちに言った言葉(見てない方には?ですが)、そろそろ積極的に都市環境について考えるべき時期にきている、というかいい加減に何とかしないといけないのではと考えています。私は政治家や役人ではありませんが“風景職人”です。都市の風景や環境に付いて「うちはうまいこと横浜に脱出できたからいいや」で終わらせるべきではないということを自分に課すために、『風景・環境・人』というカテゴリーを増やしました。同業の風景職人諸氏、一緒に考えてみませんか。

 そんなことを考えながら歩き回っている時に撮った、京王線代田橋駅界隈の風景です。

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走る

庄戸のブランコ

 連日こうしてブログをアップしていると、つくづく“ ありがたい仕事だなあ ”と感じます。年配のご夫婦からは人生を豊かにする知恵や賢さをいただき、何かの問題と対峙している方からはそのパワーを頂戴し、若いご夫婦からは夢や希望やこれから家族をつくっていくんだという初心のエネルギーを分けてもらっています。
 この恵まれた環境での仕事に熱中しながら、一方でとても気になっていることがあります。それは毎日、次から次へと起こり続ける子どもたちが犠牲になる事件です。若者が子どもを、親が子どもを、子どもが親を、そして子どもが子どもを・・・。こうした事件があまりにも続発するせいか、どれも踏み込んだ原因が解明されないままに次の事件に話題が移ってしまいます。加害者の生育環境や心理的な要因、精神的な問題点どについての突っ込んだ分析がないままに、次々と新たな事件が起こっていきます。そして犠牲になるのはいつも子どもたちなのです。
 最近やっと専門家の見解としていわれてきたのは、加害者の多くに何らかの人格障害や発達障害があるということです。つまり犯罪の遠因に幼少期の家庭環境や生育環境があるということになります。わが家はどうかといえば、とてもではないけれど胸を張って健全家庭ですとは言えません。だからといってどうすればいいのかわかりません。
 ということで自分のことは棚に上げたうえで、もういいかげんに問題の原因に向き合わなければいけないのではないかという気がします。乱暴に言えば、加害者やその家族の人権が侵害されたとしても仕方がないと言い切ってしまいたいのです。そのことと不条理に奪われていく子どもたちの命、そしてその家族が受ける一生消えることのない痛みとどちらが重いのか、誰もが気付いているのに誰もハッキリと言わない、そんなもどかしさが日を追って募っていくのです。

 こんなことを思いながら、繰り返される嫌な事件を「しかたないことなのかなあ」とため息をつきながら朝の“みのさん”を観て、さあっ!と気分を変えて現場に向かう途中で、すごい景色に遭遇したのです。それがこれです。

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 栄区庄戸にある児童公園のブランコです。ごらんのように花咲き乱れる中にブランコがあるのです。思わずクルマを止めて撮影しました。

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 散歩中の人に話しかけると、地域の人たちがボランティアで毎年種から育てているのだそうです。感動しました。感動しながら、あたりに人がいなくなったのを見はからってブランコに乗ってみました。数十年ぶりです。最初は座ってゆっくりと、徐々に大きくハイジのように、最後は立ちこぎからジャンプで着地!に失敗してスッ転んでしまいました。なんだかほんとに素晴らしくて、この花咲くブランコは、札幌にあるイサム・ノグチの滑り台に匹敵すると、ひとり無人で揺れるブランコをしばし眺めていました。

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 朝のニュースの件で重かった気持ちに光が差した感じがしました。都会もいなかも機能不全を起こしているけれど、ここには新たな地域文化が生まれているのかもしれない。それを予感させる花咲くブランコ。

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 この景色が日本中のあちらこちらに芽生えたら・・・。犯罪者を生む幼少期の生育環境の不備とそのことによる発達障害の責任は親と地域にあります。もちろん法的には本人にあるのですが、子どもが一人前になるまで守り育てることの責任は社会を構成している全ての大人にあるという、いなか的、あるいは昭和的モラルを肯定するならば、この不条理で悲劇的な現状を脱する出口は・・・。
 この庄戸の児童公園にその出口の光が見える気がするのです。



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